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あなたの燃える手で

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白い魔女 3


白い女 3
羞恥病棟



PROLOGUE
「夢の森駅」を降りて東口を出ると、そこには昭和の街並みが広がっている。
線路沿いを暫く歩くと見えてくる、数十メートルはある大きな銀杏の木。
そしてその銀杏を囲む白い建物。それが『夢の森病院』だ。

この病院は外来患者の訪れる2階建てのA棟と、入院施設のある4階建てのB
棟の2棟から構成されている。
この2棟は向かい合い、渡り廊下で結ばれている。
A棟とB棟の間は中庭になっていて、そこにはこの病院のシンボルでもある、
大銀杏がその風貌を晒していた。
この病院を空から見れば、白いコの字の中に緑の大銀杏が見えるだろう。

初夏の日差しは中庭に丸く大銀杏の影をつくり、最近鳴き始めたセミの合唱
は、B棟4階にある院長室にも届いていた。


【1】
2階の渡り廊下を、B棟に向かって2人の女が歩いていた。
1人はこの病院の院長『如月真弓』。歳は30半ば。
170センチはある高身長の背筋を伸ばし、白衣の裾を翻しながら小気味よく歩
いている。栗毛色のストレートの髪が肩で揺れ、時折白衣の隙間から見えるス
ラリとした白い脚は、ゾクッとするほど美脚だった。
聡明そうな額、酷薄な薄い唇、そして縁なしメガネを掛けた涼しげな目。
それらは、彼女を見る者を跪かせるオーラを放っている。

もう1人は婦長の『御堂雪絵』。彼女は40前半の熟女だ。
身長は真弓よりは若干低い。スリムな真弓に比べ、その熟れた体は肉感的だ。
クリッとした目が妖艶に輝き、そこに熟女の妖気を感じる。
彼女は片手にファイルケースを持ち、院長の少し後ろを歩いていた。

2人は渡り廊下をA棟からB棟に渡ると、エレベーターで4階に上がった。
このB棟4階には、新しく個室が5つ新設された。
この個室は幾分費用はかさむが、24時間の完全看護体制を取り、この病院の
最新の治療を優先的に受けられるというメリットがあった。
個室は手前から奥に向かって、1号室から5号室までの5部屋となっていた。

「それにしても新しい個室、あっという間に埋まったわね」
「はい、院長。あたしも驚いています。まだ3日も経っていませんのに」
「1号室のあの心臓病の患者さん、絢音さんって言ったかしら?」
「はい」
「どう? 相変わらず佐智枝って言うおばさんが付きっきりなのかしら?」
「そのようです。あの子はあきらめた方が。それよりも5号室に昨日入った
患者さんの方が……、院長のお好みかと」
「あらっ、そう?」
「はい。よろしければお会いになりますか?」
「ふぅ~ん、そうねぇ……。今日はいいわ。どうせ近々個室回診で会うでしょ
う。どんな人かだけ教えて。今判る?」
「はい……」
御堂は歩きながら小脇に抱えたファイルケースを開き、数枚のページをめくっ
た。その中から個室患者のリストを開くと、ある1人の名前に指を止めた。
「名前は相田美佐子。33歳。大きな病歴はありません。今回の入院も簡単な
検査入院です。ちなみに身長160センチ。スリーサイズは……どうします?」
「教えて」
「88、58、90、です」
「まぁ、美味しそうねぇ」
「はい、性格は従順。かなりMのようです。彼女は楽しめると思います」
「あらっ、楽しみたいのはアナタでしょう。婦長」
「院長には負けますけど」
「婦長の徹底した、あの粘着質の責めにはあたしも脱帽よ。アナタは真性のM
だけど、同時に真性なSでもあるものね」
そう言ってから廊下の前後を確認した。白く長い廊下には誰もいない。
「だからでしょうね、両方の気持ちが判るのは。どんなコトを言われたら恥ず
かしくて、どうされたら辛いか、そして気持ちイイか」
「なるほど……」
「特に自分が1分しか我慢できなかったコトを、相手に2分我慢させるときは
快感です。どれだけ辛いか手に取るように判りますから」
「まぁ、残酷。だからアナタに責められた女は、みんな半狂乱になるのね」
「あたしにとってあの時間は至福の時ですから」
「うふふっ、責められる方は堪ったもんじゃないわね。可愛そうに……」
「院長だって人のコト言えませんよ」


2人は個室には行かず、院長室と書かれた部屋の前で止まった。
真弓がドアを開け、中に入ると御堂が続いて入室した。そしてその場で振り返
ると、ドアにそっと鍵を掛けた。
この瞬間、院長室は完全に外界と遮断された密室となる。ちなみに防音設備も
完璧だ。大声を出しても外には蚊の鳴く程の音も漏れない。
この部屋に入れば互いの呼び方も、院長から真弓に、婦長から雪絵に変わる。
これは自然と決まった2人の不文律だ。

「ちょうど12時ね」
窓辺に立った真弓は、腕時計から中庭の大銀杏に視線を移した。
ドアの鍵を閉めた御堂は、真弓のスグ後ろに立った。
「それじゃ今日はタップリ、ねっ、いいでしょう真弓」
御堂の両手が真弓の両肩にそっと置かれた。妖艶な赤い唇に、淫靡な微笑が浮
かび上がっている。
真弓はクルリと体を回し御堂と向き合った。そして抱き合いながら唇を重ねる
と、2枚の濡れた舌が赤い蛇のように絡み合った。
「服を脱ぎなさい雪絵。タップリ可愛がってあげるわ……」

Comments 2

もん  
おっ

まさかの白い魔女の第3段キタコレ
このシリーズは楽しみなので、ある程度進んでから見ます!

2011/06/09 (Thu) 00:53 | EDIT | REPLY |   
蛍月  
なるほど!

そんな読み方もありですね。
第3話で一段落付きますから、その辺りがオススメかと・・・。

2011/06/09 (Thu) 19:18 | EDIT | REPLY |   

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土