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あなたの燃える手で

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クレオパトラの微笑み

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逝くと思ったその瞬間、ローターが浮き上がり指が止まる。
でもそれもまた一瞬。あたしはスグにまた逝く寸前に追い込まれてしまう。
ママはローターと指を止める時間、それを出来るだけ短くするようにしているようだった。それはそのまま逝く寸前の快感がずっと続くことになる。
なんて残酷な快感。
それはまるでゴールのないマラソン。いや、ゴールは目の前に見えている。
でもあと1歩のところで、ゴールは蜃気楼のように消えてしまう。
でもママの絶妙な指先は、あたしを強制的にゴールへと追い立てる。

「あぁーほらほら、また逝く寸前ですわねぇ、これを1秒でも長くして差し上げますわぁ~。ほらっ、ほらっ、あぁーココ、ココをほらっ、ほらっ」
「ひぃぃ! いやっ、だめぇ、逝かせてっ、逝かせてっ、ひぃぃ逝くぅ~」
「この快感がずぅ~とっ。ほぅ~らっココ。ココをじっくりと……、クリクリクリクリ」
「あぁ~ソコは、ソコはもう赦して、あぁだめぇ、逝くぅ、逝っちゃうぅ~」
「うふふっ、徹底的に焦らして焦らして生殺し。いかがです?」

仰け反るに仰け反れない、藻掻くに藻掻けない。
そんなあたしを二人が見つめる。
それがより一層焦れったく、指の先まで性感帯になったようなあたしの体を苦
しめていく。
せめてもう少し、もう少しでも動ければ……。

「真中様ぁ、お尻の穴がヒクヒクして、綿棒が抜けないくらい締め付けてますよぉ。ほらっ、本当に抜けない……」
そう言って、青山さんが意地悪く綿棒を引っ張る。

「あぁ~いやっ、逝く逝くっ、もう逝っちゃうぅ~、ひぃぃ~、ひぃぃ~」

果てしなく続く残酷な生き地獄。
しかしそれも、ようやく終わりの時を告げようとしていた。

「さぁ、それでは真中様。そろそろ……。この世のものとは思えない快感を味わってくださいませ。その逝きっぷりを拝見させていただきますわ」
ローターがソコにしっかりと固定され、指先は絶妙なリズムと力加減でその一点を責め上げていった。
「ひぃっ~! あぁぁ~! いっ逝くぅぅ~だめぇ~あっ、あぁっ、逝く! 逝く! 逝く逝く逝っちゃうぅ~!」
「まぁ、とってもイヤラシイお顔……」
「綿棒抜きますよぉ~。ほぉ~らっ」
「ひぃぃ~! ひぃぃ~! あぁぁ~だっだめぇ~逝くぅぅ~!!」
「凄い逝きっぷりですわぁ、真中様。あぁー締まるしまる。ほらほらっ」
最高潮に達しているあたしに、トドメを刺すようにママの指先が食い込み、更に責め上げていった。
「ひぃぃぃ~!」

あたしはようやく、残酷なマラソンのゴールに踏み込んだ。
その時のあたしの目には何も映ってはいなかった。
あの二人の微笑みさえも。


エピローグ
マンションを出たあたしを、刺すような北風が吹き抜ける。
でも、今の火照った体にはそれが気持ちいい。
あれほど長く感じた時間が、今は夢の中の出来事のようだった。

二人のクレオパトラ。
その微笑みが一つに重なり、天空の三日月に変わった。
もしも愛し合っている人とだったら……。
そんなことがふと頭をよぎる。
あたしの足元を、一枚の枯れ葉がすれ違うように転がっていった。

駅前まで来ると、幹線道路の向こうに商店街の入り口が見えた。
カフェの明かりがまだ灯っている。
あたしは見慣れた光景に背を向けると、目の前のバスターミナルを抜け、
駅への階段を上った。


 ーENDー

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土