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あなたの燃える手で

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波色のキス

5 最終話
ウチの両親の手前、あたし達は一応別々にお風呂に入った。
アンの寝巻きは、あたしのTシャツを渡した。
そしてあたしの部屋で一緒にご飯を食べると、一緒にベッドに入った。

何度もキスを繰り返した頃、あたしはアンの股間に右手を伸ばした。
「あぁん……」
「しっ。あんまり大きな声出すと、お母さん達に聞こえちゃうから。前に
もバレそうになったことあったでしょう」
「あったあった。あの時はドキドキした」
「だから今夜は、静かに静かに。わかった?」
「うん」
アンが小さく頷く。
あたしはアンの股間に伸ばした右手を、アンの下着の中に滑り込ませた。
「あぁん、夏織ぃ、もう……?」
その声は、さっきの半分以下だった。
「嫌? でももう濡れてるよ。アン」
指を亀裂に沿って這わせると、そのまま "ヌルッ" と差し込んだ。
「あぁ~ん」
「ほらっ、中で動いてるのわかる?」
「うん。あぁっ、あぁソコ、ソコいいぃ~」
「そうだよ。だってアンの感じるところだもん」
「あぁぁ~いいぃぃ、感じるぅ、夏織ぃ」
「うふっ、アンは本当にコレに弱いんだから。今日は舐めてあげるね」
あたしは指でアンのソコを責めながら、体をズリズリとずらし、アンの脚
の間に滑り込んだ。
「アン、舐めて欲しいところ、指差して」
するとアンの可愛い指は、自分のクリちゃんを指した。
「うふっ、ココね。いいよ舐めてあげる」
あたしはプックリと勃起したクリちゃんをチロチロと舐め、啄ばむように
チュパチュパと吸い上げた。
自宅ということで声も出せず、あたしは焦らすことなくアンを逝かせた。
その後は攻守交代し、今度はアンが指であたしを逝かせてくれた。

狭いベッドで、あたし達は向かい合ってお互いを見つめていた。
「ねぇ、アン。約束して。来年の夏。また一緒にあのトンビ浜でサーフィ
ンするって」
「うん。約束する。またあそこでサーフィンしよう」
「でもこの島に戻ってこれる?」
「大丈夫だよ。夏休みあるでしょう。きっと」
「そうだよね」
あたし達はキスをすると、そのまま眠りについた。


一週間後、アンが横浜へ行く日が来た。
この島から横浜へは船しか交通手段がない。
港に行くと、横浜行きの船はもう岸壁についていた。

「とうとうこの日が来ちゃったね」
「うん」
「晴れてよかった。海も穏やかそうだし」
「うん」
「横浜に行っても頑張ってね。ラジオ聞いてるよ」
「うん」
「LINEも毎日送るよ」
「うん」
「なによぉ、アン。泣いてるの?」
「だってぇ」
「あたしだって悲しいけどさ。今日は文字通りアンの船出の日だもん。で
きれば笑って見送りたい」
「ありがとう。夏織の笑顔、あたし好きだよ」
「でもよかった。アンが東京で……」
「なによぉ、夏織も泣いてるじゃない」
「だってぇ」
「もう、マネしないでよぉ」
「してないよぉ」
その時、出航を知らせる汽笛が鳴った。
「そろそろ時間……、みたい」
「うん。それじゃ、本当に頑張ってね。アン」
「うん」
「アン……」
「なぁに?」
「愛してる」
「あたしも愛してる。夏織……」
その言葉を最後に、アンはタラップを上っていった。
最後にもう一度、もう一度だけ、キスをしたかったな……。

そして次にアンの声を聞いたのはそれから約1ヶ月後。横浜を拠点とする
ラジオ放送だった。
毎週日曜日の朝7時から1時間。自分の担当する、『ブリリアント・ブリ
ーズ』いう番組が放送されると、アンから連絡が来ていた。
あたしは待ちに待ったその日。数十分前からラジオをつけて待っていた。
そして時報とともに、懐かしいあの声が聞こえて来た。

「はぁ~い。みなさん、おはようございまぁ~す。年度替り一発目の日曜
日の朝。映えある第一回目の放送となりました。ブリリアント・ブリー
ズ。今日はどうしようかなぁ~。家で1日ゴロゴロするかぁ。なぁ~んて
思ってる人も、大好きなあの人とデートの予定のある人も、チョットお耳
を拝借。パーソナリティは黒出目ちゃん大好きの、柚子木アンでぇ~す」
そして番組のプログラム案内の後、簡単な自己紹介が始まった。

「そんなこんなで、あたしは島の小さなFM曲でパーソナリティをしてい
ました。何しろ生まれ育った島ですから、サーフィンもしたし、釣りもし
たし。夏には毎年神社のお祭りがあって、金魚すくいもしたなぁ……。そ
れではここで、ちょっと懐かしい曲、メリーアン」

「うふっ。アンったら元気そう。黒出目ちゃん大好きって、それに記念す
べき番組一曲目がメリーアンって……」
ふと出窓の金魚鉢を見れば、あの日よりも大きくなった2匹の出目金、赤
いメリーと黒いアンが泳いでいる。

あたしはホッとした。でもなんでだろう。熱いものが頬を伝っていた。


EPILOGUE
1年後。夏。
横浜を後にした船が、 "青い鳥の島" の岸壁に到着しようとしていた。
この船にアンが乗っている筈だ。首尾よく夏休みが取れ、今日この船で帰
ると連絡があったのだ。

アンがタラップに現れるとすぐにわかった。
「アンー!」
「夏織ぃー!」
アンはタラップを降りると、岸壁に "ピョン" と飛び移った。
「アン」
「夏織ぃー」
あたし達は満面の笑みでハグをした。
「アン、髪切ったんだね」
「うん。昨日切った」
「そうなんだぁ……。ねぇ、最初にどこ行きたい?」
「トンビ浜」
「やる? アンのボードあたしん家に置いてあるからさ」
「やるやるぅ」
アンはそのままあたしの家に来ると、一旦荷物を置いた。
そしてあたし達は、ボードを持ってトンビ浜へと向かった。

トンビ浜は今日もいい波が立っていた。ちょっと涼しくなった潮風が、二
人の髪をなびかせる。

この島を覆う青い青い空と、目の前に広がる青い青い海。
そんな青に包まれて、あたし達は熱い熱いキスをした。


ーENDー


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土